歯と歯肉の境目(歯周ポケット)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします。
そして、進行すると歯周ポケットが深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は歯が抜けてしまう病気です。虫歯と違い、痛みなどの自覚症状がなく進行するので虫歯より深刻な病気と言えます。
歯を失う最も多い原因は歯周病です。歯を失う原因のおよそ4割をしめていると言われています。
特に30歳の後半から40歳の後半にかけてはピークで50歳になると歯の喪失原因の約半数を占めるほどの勢いです。人類史上で最も多い感染症とも言われギネスにも認定されている感染症です。
また全身の健康を損なうこともあります。ですから、歯周病は完治が可能なかかり始めのうちに治療しておくことがとても大切なのです。
かかり始めの歯周病は、歯肉が炎症を起こすことから、歯肉炎と呼ばれます。(図2)歯肉が赤くはれ、触れるとブヨブヨとした柔らかさを感じます。歯を磨いたりすると出血することがあります。この段階では、まだ歯槽骨にまでは影響が及んでないので、毎日の正しいブラッシングだけで完全に治せる場合も多いのです。
しかし、適切な処置をせず歯肉の炎症を放置したままにすると、次第に周辺の組織へも影響が及んでいきます。(図3)歯肉の炎症が悪化すると、歯と歯肉の間に深い歯周ポッケトができやすくなります。また、出血だけでなく膿も出るようになります。歯肉を支えている歯槽骨はどんどん失われていき、歯がグラグラ揺れてやがて抜けてしまいます。
1つでもチェックがついたあなたは、歯周病(歯槽膿漏等)の可能性があります。
私たちにご相談ください。
歯周病の原因は、歯の汚れの中にいるばい菌(プラーク)の放置です。
歯垢(プラーク)は取り除かなければ硬くなり、歯石と言われる物質に変化し歯の表面に強固に付着します。 これは歯ブラシだけではどうしても取り除くことができません。
この歯石の中や周りに更に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けます。
- 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
- 不適合な冠や義歯
- 不規則な食習慣
- 喫煙
- ストレス
- 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
- 薬の長期服用
歯周病原因菌が歯肉組織まで侵入してくると、豊富な血管に入り込み、血液を通してして全身にまでまわります。その結果、身体の各部にまで、病気を発症させることになるのです。
現在、日本には「糖尿病が強く疑われる人」は約890万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は約1320万人、合わせると2210万人いると推定されます。
糖尿病とは何らかの原因によって血液中の糖分をエネルギーに変えるインシュリンという物質の働きが低下血液中に糖分が溢れてしまう病です。主な減員として考えられているのは、高カロリーの食事や運動不足による肥満などです。頻尿やのどの渇きや足がつるや倦怠感は糖尿病の症状です。
歯周病は糖尿病の合併症の一つです。糖尿病の人はそうでない人にくらべて歯肉炎や歯周炎にかかっている人がおおいという疫学調査が複数報告されています。
さらに、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになりました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられます。
特に、血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの人は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。
歯周病は治療可能なだけでなく、予防も十分可能な疾患です。生まれてくる元気な赤ちゃんのために、確実な歯周病予防を行いましょう。
口腔(口の中)内原因で一番考えられるのが歯周病です。歯周病の特徴は歯周ポケットができることです。これは口の中の細菌の格好の住処を提供するのです。細菌の中でも嫌気性細菌は代謝の過程で硫化水素やメチルメルカプタンと産生します。これが口臭のもとになります。
気になる口臭、即効薬としてマウススプレーやマウスウォッシュを利用することもお勧めします。
普段気になるようでしたら、お口のお手入れ不足か、舌に汚れが付着していることも考えられます。歯科医院で 歯垢を染め出しして、みがき残しをチェックしてみましょう。丁寧な歯みがきと、週1回舌を専用ブラシでお手入れするとさらに効果的です。
ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります。
歯科衛生士には、歯石を除去する技術はもちろんのこと、患者様に歯周病の原因や進行について、知識を深めていただくことや、歯磨きの上達によって治療の効果を上げること等、の役割があります。さらに、患者様のお口の中の微妙な変化について歯科医師に報告するなど適切な治療を提供するためのパートナーとして歯科衛生士は重要な役割を担っています。
歯周病の治療は、患者様と歯科衛生士、歯科医師の連携プレーで進められますので、情報を共有する上で、歯周病に関する専門知識は、歯科衛生士と歯科医師が同じレベルであることが重要であると考えられます。歯周病は歯科医院での治療・ケアだけでは改善することはできません。
ご自分でしっかり歯磨きをしていかなければ改善は見込めません。
その時にたよりになるのは、あなたのパートナーとなりうる歯科医師であり、歯科衛生士です。当院では歯周病を専門に研修を行っている歯科医師、歯科衛生士が常駐しております。
支援する事です。歯周病専門とする歯科医師、歯科衛生士が在籍し、日々研鑽しています。
認定歯科衛生士は、衛生士のスペシャリストであり、トレーニングを積み、診断できる能力があります。さらに、高い技術を持ち、歯周病を治すことができます。
豊富な経験を積んでいるので、患者の気持ちに寄り添い、治療の継続と良い結果が得るためのアドバイスができます。お口の中は千差万別、患者様に合った質の高いメンテナンスを行い、お口の中の健康をサポートすることはもちろんのこと患者様とのコミュニケーションや患者様との信頼関係を大切に、歯周病の予防・治療に全力を尽くしています。
定期的なメンテナンスを行い、健康な歯ぐきでいる事が大切です。
そして、そのお手伝いを私達歯科衛生士が致します。どうぞお気軽にご相談下さい。