良質で患者様にお見せできる治療を目指して
顕微鏡歯科認定医になった理由
私が歯科学生の時に歯の治療を受けて感じた事は、『ちゃんと治療をしてもらったのか分からない』という事でした。治療の過程は実際に自分自身で見る事はできないので、先生がちゃんと治療をやってくれているという暗黙の了解で治療は成りたっています。患者様に自分が行った処置をお見せして客観的で透明性の高い治療を提供したいと思ったのです。
顕微鏡歯科治療は精密で確実性の高い治療を提供できるのと同時に、録画機能や静止画撮影機能で患者様に行った治療をお見せする事ができます。
全ての患者様に治療をお見せする事はとても大変な事なのです。一瞬たりとも気の抜けなく誤魔化しが効かないからです。例えれば、車の運転で常に助手席に教官がいて見られながら緊張して運転するようなものです。
そういった顕微鏡を使い患者様にお見せする治療を13年続けて治療技術を高めてまいりました。
ただそれのみでは自己満足になってしまう場合もありますので、認定医を取得する事で
自分の治療技術はある一定のレベルに達している事を認めていただきました。認定医試験は治療の動画を多数の学会評議員のチェックを受けて合格しなければならず、誤魔化しは一切効かないので非常に難しいです。
2018年で私が98人目ですが、2022年で128名の認定医がいますが、4年で30人しか増えておりません。日本全国で約10万人歯科医師がおりますが、現在128人しか認定医がおらず、静岡県ではわずかに4名です。
ミラーテクニックを駆使してより確実な治療を行える
お口は前から見るので、歯の後ろ側は、喉の方から見れないので、むし歯が深くなると全く見えません。そこで小さな鏡で歯を見るのですが、大半の先生は歯を削る時には鏡を使いません。理由は鏡の中では器具の動きが反対になってしまう為うまく動かせないのです。直接見えないむし歯はカンと経験でとっているのですが、そうすると取り残してしまう事もあります。
ミラーテクニックは小さな鏡を見ながら治療する事で、それ専用の訓練を積むことで器具が巧みに動かせる様になり、確実に見ながらむし歯をとる事が出来ます。
なぜ大半の先生がミラーテクニックが出来ないかというと、それ専用の訓練を積んでいないからです。例えば車の運転で例えると、バックで駐車する時に鏡のみを見て行う事に似ています。運転経験が長くても出来ない方もいらっしゃいます。ただ長くやっていれば出来る技術ではないのです。
あらゆる器具を用いてベストな根管治療を行っている
歯の根の治療でニッケルチタンファイルを使用する事で
①早く、効率的に清掃できる
②確実な神経の中の洗浄、消毒ができる
③
削り過ぎや根への負担を抑えて、根の破折やヒビ割れを防ぎ、歯を長持ちさせる
という利点を得る事が出来ますが、それはただ単に使えばそうなる訳ではありません。
料理で例えると、一流のシェフと同じ包丁を使えば素晴らしい料理が作れるかというとそうではありません。
道具の扱い方、選択の仕方、技術や経験が無ければいけません。
また一本の道具で全て治療ができる訳ではなく、複数を使い分ける必要があります。 私は13年間ニッケルチタンによる根管治療に従事して、様々なメーカーの物を使用して参りました。メーカーにもそれぞれ長所と短所があり、良い所どりして上手く組み合わせる必要があります。
なるべく最小の歯を削る治療をして歯を長持ちさせる
一般的な歯の治療は器具がちゃんと入る様に、むし歯の取り残しがない様にするために大きく歯を削る傾向にありますが、マイクロスコープとミラーテクニックを駆使する事で歯を削る量をできるだけ少なくする事が出来ます。
マイクロスコープを使用して丁寧に治療をしています
マイクロスコープを使用する治療を精密で確実性の高い治療ができる反面、一回の治療が長かったり、一度に治療できる歯の本数は少なくなるので通院回数が多くなりますが、1本の歯の治療を大事に確実に積み上げていくことで、長期的な歯の寿命を長持ちさせる事が重要だと考えております。
同じ歯でむし歯が再発して、再度治療を繰り返すとやがて歯の量は減ってゆき、最終的には歯を抜く事になってしまう為、1回の治療を大事に考えております。